「う〜、流石に冷えるぜ〜」
私――魔理沙のルートはそろそろ終わりそうだ。なんというか、本当にこれは面倒な仕事だ。人の家に忍び込んで(いつもならこんなの面倒でも何でもない。入るときはどうどうと入るし、障害があれば吹っ飛ばす。けど、今回は出発前に咲夜が教えてくれた『鍵開け』で開けなきゃならないんで面倒だ)気づかれないように(これまた面倒だ。気づかれないほうがいいにはいいが、気づかれても逃げればいいだけだ。少なくともいつもなら)子供の枕元に咲夜が用意したプレゼントを置く。この作業がやたらと時間がかかる。
「割に合わないぜ〜」
依頼が来たときは、「それくらいなら、安くしとくぜ」なんて言ってしまったけど、これは重労働だ。もっと料金高くしとくんだった。
けど、この重労働もあと少し。袋は軽くなってる。あと1,2ブロック分ぐらいだろう。
「さて、ルートの確認をするか」
地図を開く。
「げっ」
私はそれを見なかったことにして家に帰る。というか、帰りたい。
「……はめられたぜ」
残りの2ブロック。そのどちらもハズレだ。何がハズレって、やたらと疲れそうな場所だ。
残りの2ブロック
1,湖
2,紅魔館
「これは普通に変だろ」
帰りたい。けれど、一度受けた仕事だ。それを放棄するのはプライドが許さない。
(仕方がないぜ)
厄介そうだが、やってみるか。