湖――そのほとりの家。
(この辺はここが最後か)
湖のブロックは思ったよりは楽だ。妖精のほとんどは寝てるし、夜に活動する連中(リグルとかルーミアとか)は家に居ない。なんで普通にプレゼントを置いてこれた。
ただ、よく考えるとこれって凄い。というか恐ろしい。
人間はともかく、妖精や妖怪たちからも欲しい物を聞きだし、(咲夜が言うには本人からそれとなく聞いたらしい)さらにその住処を全部把握している咲夜は何者だ? というか、妖精の住処知ってるのは変だ。
(完全で瀟洒なメイドって言っても限度があるだろ……)
なんというかあのメイドとはケンカしたくないぜ。色々恐ろしい。さて、そろそろ入るか。
少女ピッキング中
(さ、入るぜ)
ガランドウの大木をそのまま住処にしている妖精。結構、豪華な感じがするから大物かもしれない。大妖精とか、リリーとかの住処かも。
(誰がいるのか楽しみだぜ)
お、ベッド発見。さて、プレゼントの前に顔を拝ませてもらうか。
ベッドを覗き込む。頭が見える。水色の髪。これは見覚えがある。
(あ、ここはこいつの家か)
寝てるのは自称最強のチルノ。なんというか意外だ。こいつがこんな立派なところに住んでるとは。
(う〜ん、こいつはもしかすると妖精では上位なのか?)
人は見かけによらないってヤツか。まあ、いいけど。さて、顔も拝んだし、プレゼントを置いてとっとと次に行くか。
プレゼントの小箱を袋から取り出す。何処に置こうか。
(ん? これは手紙か?)
ふと、枕元に『さんたへ』とミミズみたいなじで書いてある紙切れに気づく。
(サンタへの手紙か?)
そういや、子供は手紙でプレゼントをリクエストするって話だったな。プレゼントは手元に有るけど、一応読んどくか。どれ、
『あたい さいきょう ちるの』
(おかしいぜ)
サンタへの手紙で最強ってなんだ? というか欲しい物とか関係ないし。
(う〜ん、間違ってるぜ)
手紙を書いたことは、褒めてやるべきなんだろうか? う〜ん、判断に困るぜ。
(とりあえず、プレゼントは置いておくぜ)
チルノの枕元にプレゼントの小箱を置いておく。さあ、次は紅魔館だ。
少女移動中