「ふ〜ん。まあ、いいけど。あ、霊夢、私もこのお汁粉貰うわよ?」
「そういうことは注ぐ前に言いなさいよ」
「いいじゃない。遠慮する仲じゃないでしょ?」
しっかりと自分の分のお汁粉とお茶を用意して、彼女――アリス・マーガトロイドもコタツに陣取る。
「今日はあんたが主催者なの?」
「私じゃないわ。私も呼ばれただけ」
「一体誰が主催者なの? というか何をやるの?」
「さあ? それは直接本人に……」
「ええ、説明させていただきますわ」
「え? あんたが主催者?」
「そうです。あ、お汁粉は頂きます」
「……どうぞ」
3人目の来客。彼女――十六夜咲夜も当然のように自分の分のお汁粉とお茶を確保する。あ〜、明日まで取っておくはずだったのに〜。
小さなコタツに4人。それぞれが四方に座る。これから4人でお汁粉でも食べながら雑談って、訳じゃないみたい。咲夜は何を企んでるのか。
「それでは4人揃ったところで、説明させていただきますわ」
「4人?」
咲夜の言う4人。この場にいるのは私を含めて4人。
「あなたも当然、含まれてますよ」
「あ、やっぱり」
当然のように私も含まれていた。
(妖怪退治じゃなきゃいいけど)
前に寒い中、異変解決に飛び回ったときも寒くて辛かった。冬はのんびり過ごしたい。
「それでなんなんだ? 今日は仕事の依頼ってことだけど?」
今日のこの集まりは咲夜からお仕事の依頼みたい。こういうことになると魔理沙もいつもと違って、少しは真剣な感じだ。
「ええ、今日は幻想郷で冬のお祭り行いたいと思って、あなた方に集まってもらいました」
「冬の祭りって、もしかしてクリスマスのこと?」
「クリスマス?」
アリスが口から出てきた言葉。『クリスマス』。聞き覚えが無いな。
「ねえ、クリスマスって何?」
「あ〜。確か、赤い服着た爺さんが夜中に人の家に忍び込んで、物色していくやつだろ?」
なんと言うか、はた迷惑な爺さんだ。まるで魔理沙みたい。アリスもそう思ったみたいで、「それはあんたのことでしょう」って突っ込む。とうの魔理沙は「私は黒いぜ」って、そんな感じ。色の問題じゃないでしょうに。