日記内連載 春夏秋冬の奇妙な闘病記 第5話 白い牢獄 見知らぬ天井 脱走
はい。今日も元気に闘病記に入っていきます。前回、第4話で家族や友人に支えられたと書きました。これは本当に今でも感謝しています。さて、今回は支えと言うよりは、入院中の息抜きと呼べるものについて書きますかね。
そもそもこの入院生活は本当にストレスが溜まります。相部屋の連中は平気でルール無視するし、抗癌剤治療はシャレ抜きで命を削っていくし、何より自由は無いし。他にも細々とストレスが溜まるようなことは多いんですよ。だから息抜きって、本当に必要なんですよ。
そんな中で真っ先に上がるのが本、ゲーム、TV、音楽の4つなんですが、これらも室内でやることなんで、あまり息抜きにはなりません。(おまけに4人部屋だし)
病魔と闘いながらストレスとも戦わねばならない闘病生活。敵は多いです。特に私は束縛を嫌う性質の持ち主。いつ終わるかも解からない闘病生活を病院で過ごし続けるのはごめんでした。
そんな私は入院して、すぐにあることに気づきました。土日は治療も検査も無いということに。だから、病院に(無理に)頼み込んで、ほぼ毎週週末は家に帰ってました。同じ室内でも病室と比べれば当然自室が落ち着きます。服も私服で良いし、PCはあるし、私物も全部あるし。まさに城でした。本当にあの時は家で過ごすひと時が、1週間の地獄を乗り切り支えになってましたね。(家族と友人は病院生活全体の支)
しかし、先にも書きましたが、『私は束縛が嫌い』何ですよ。だから、日がな一日、見知らぬ天井見ながら、ベッドに寝ておくことなんて出来ません。特に抗癌剤治療が無い週なんかは体はボロボロでも、外に出たいんですよ。
大体、この病院は思いっきり私の行動範囲内。遊び場所が多いわけです。つまり、
『我慢できるはずが無い』
で、ある日、私はついに病院を脱走しました。目的地は病院近くの行きつけのゲーセン。しかもこの頃は私が毎年楽しみにしていたとある格闘ゲームが出たばかりの頃でした。これで行かないはずが無い。
基本的に入院前はゲーセンに行くのは夜10時頃でした。そして、これは多少の差はあれど友人達も同じ。しかし、当然、夜中に病院を抜け出すのは不可能。(何回かやろうとしたけど、警備が厳重過ぎて無理でした。さすが大病院)
と、こんなわけで、1人は寂しいと思いつつも昼間に脱走。病院から約1kmのゲーセンへ歩きました。体が健康なら、1kmぐらいの距離を歩くなんて、わけもありません。しかし、この時の私は抗癌剤で体はボロボロでした。なので1kmという距離が本気で辛かったです。
まあ、それでもあのうるさい病室で何もせず、(それこそ眠れもしない)いるよりはましでした。
んで、約30分後、ゲーセン到着。私は早速、目当てのゲームの台に座りPLAY。友人から聞いていたとおり、このゲーム今年はつまらないな〜とか、思いながらもやり続けました。だって、つまらないとか思いながらも、やっぱり楽しかったですからね。
で、しばらくして、ゲームをやめて、店内をぶらついていると、友人Mと遭遇。
M「春夏秋冬!? おまえ入院中じゃ!?」(まるで幽霊を見るような目で)
私「脱走してきた」
M「はい!?」
私「いや、だから脱走」
M「お前、それいいのか!?」
私「いいよ、だって居てもすることもないし」(いいわけないです。重病人です。加えて抗癌剤のせいで免疫力無茶苦茶落ちてます。加えて体はほっそりしてます)
M「でも……」
私「そんなに心配するな」(かなり無茶言ってる)
M「……解かった。で、こんなところまで、何しに来たん?」
私「2003」
M「わざわざあのクソゲーをかよ」
私「うむ」
M「まあ、いいけど」(かなり良くない)
私「ところでM」
M「何?」
私「コーヒー奢って……」(基本的に何週間も胃に何も入れてない人間が飲んでいいものではない。コーヒーはあれで一応刺激物)
M「……解かった」(解かっちゃいけない)
このあと、久々に会ったMとゲーセンで色々話をしました。本当、少し、外と遮断されてただけで、いろんな変化がこの頃、あってましたよ。気分はプチ浦島。
この後、しばらくしてMが仕事に行くことになったので、私も帰りました。本当、入院生活中もこんな息抜きが必要だね!!(本当は危険なのでやっちゃいけないです)
ちなみに『脱走』はこの後もちょくちょく続けました。そのたびゲーセンで楽しみました。意外と人間丈夫です。
さて、今日はここまで。また次回に続きます。
追伸1
9/26の日記で1号が『私と母が呼び出されて、通告される』とか書いてますが、実際は両親と自分の3人が呼び出されました。(ちなみに母は号泣。父はやるせない表情)
追伸2
入院中の私のイメージは週刊少年チャンピオン連載中『バキ』の主人公バキが毒でほっそりしてたときをイメージすると、いいと思う。
追伸3
同じく9/26の1号の日記で書かれてた休憩所(ソファーと自販機があるだけの場所、まあ、景色はいいかな?)は院内唯一の憩いの場でした。