日記内連載 春夏秋冬の奇妙な闘病記 最終章 手術 前夜
これまで続いた闘病記も今回からいよいよ最終章に入っていきます。(まだしばらくは終わりませんが)
そう、これはいよいよ手術が明日にせまった日のことです。私は弱りきった体でいつものごとく休憩室に来ていました。
特に何かをするわけではなく、ただ静かに外を眺めていたのです。
明日は手術。そう考えるとさすがに気がめいります。手術の経験がある人が言うには『痛みも何もない』『気づいた頃には終わっている』とのこと。しかし、それはあくまで人の意見。これまで経験のない私には明日の手術は本気で恐怖の対象でしかありません。
また、医者は『場所が場所なだけに危険な手術になるだろう』と、オブラート無しのストレートな意見をくれる始末。そりゃ気が気じゃありません。
私は落ち着くために、自販機でコーラを買い、それを一口飲みました。
久々のコーラは何故か美味く、一気に飲み干しました。が、それもほんのひと時のこと。すぐに不安が帰ってきます。
『手術か……』
休憩室から外を眺めながら私はただそう呟きました。と、その時、後ろから私に近寄ってくる気配が2つ。
玉響「やっぱりここか」
はこぶね「たまには病室にいろよ、たくっ」
それが誰かは振り向かずとも解かりました。
私「玉響、はこぶね……」
はこぶね「何しけた面してんだ。あっ?」
玉響「元気ないな」
私「まあな」
悪態をつくはこぶね。それとは対照的に普通の応対をする玉響。これがいつもなら玉響には普通に応対し、はこぶねには鉄拳制裁なんですが、さすがに今日はそんな気にはなりません。なんだかんだ言ったところで、やはり見舞いに来てくれた2人ですから。
私はせっかく2人が見舞いに来てくれたので、2人と友に病院のレストランへと昼食をとりにいきました。この時の私の体は手術前ということで、抗癌剤からは開放され、多少なりとも食事を取れる体になっています。
レストランで注文を済ませると、私達は明日のことを話し出しました。
私「あ〜嫌だ。手術受けたくね〜」
玉響「まあ、気持ちはわかる」
はこぶね「明日何時から?」
私「確か、朝の9時から」
玉響「早いな」
はこぶね「で、何時に終わる予定?」
私「予定じゃ午後3時ころ」
はこぶね「なるほど、それで改造手術は終わりか」
私「何だよそれ?」
はこぶね「明日はあれだろ? あんたがバッタ怪人になる日だろ?」
私「アホなこと言うな」
はこぶね「次ぎに会うときはあんたはバッタだ」
私「せめて仮面ライダーとか言え!!」
はこぶね「嫌なこった。あんたはバッタだ」
私「貴様〜!!」
と、2人のテンションが高まってきた頃、
玉響「その分じゃ明日は大丈夫だな」
と、1人大人な態度。さすがにこの時、私は恥ずかしくなりましたね。ここまで、こいつらに気を使わせていたことが。だから、
私「ああ、大丈夫だよ。だからおまえらは俺の快気祝いの準備でもしてろ」
と、照れ隠し。そして2人は、
玉響「そうだな。なんかするか」
はこぶね「仕方ねーな」
と、いつもの態度。そう、変に心配されるより、こっちのほうがずっと気が楽でした。
そして、タイミングを見計らったかのようにテーブルに届けられる料理。3人の食事は『いつも』の雰囲気で進みました。
と、ここで、終わればいい話なんですが、これで終われないのが、私達。以下続きをどうぞ。
玉響「とにかく早く帰ってこいよ」
私「ああ。努力する」
玉響「やっぱ、お前がいないと……」
私(さすが竹馬の友。心配してくれるか)
玉響「めろんぶっくすの通販が出来ないからな」
私「……さいですか」
はこぶね「あ、俺も欲しいのあるから、そのときはよろしく」
私「……はい」
この日の昼食はこうして過ぎていきました。