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注意

 今回の物語はサクラ1,2ではさくらエンド。サクラ3ではエリカエンド、そして、サクラ4では大神エンドとなっていることをご了承下さい。

 序幕 帰郷

 巴里北駅。午前9時

 ガッシャン! シュー!

 激しい金属音と蒸気の音を鳴らし、その列車はホームへと停車し、

 ルルルルルルルル。

 と、続けてサイレン。3つの音が順にホームに鳴り響き、それを合図にホームに人が溢れ出す。

 溢れる人の中、少々周囲と毛色の違う男がホームへと足を下ろす。どう違うかと一言で言えば、この男、東洋人だ。ここフランスでは珍しく、そして目立つ。

 赤いスーツに短い髪を逆立てた精悍な顔をした青年。それがその東洋人の容姿だ。

「久しぶりだな……」

 青年はその言葉通り、懐かしそうに呟く。実際、彼がこの地に訪れるのは1年と3ヶ月ぶりだ。

 懐かしさを噛みしめながら、歩きだす彼の前に1人の少女の姿が目に映る。

(あれは……)

 赤い法衣を纏い、その長い栗色の髪をなびかせこちらに駆け寄ってくる美少女。それは彼が良く知り、彼を良く知る少女だ。

「エリカ君!!」

 少女の名を呼びながら、青年も少女ーーエリカ・フォンティーヌへと駆け寄る。が、2人の距離が縮まり、互いにその足を止めねばならないところに来ても、エリカの足は止まらない。それどころかぐんぐんスピードは上がっている。

「ま、まさか……」

 青年の頬に一筋の汗が「つぅ〜」と流れる。彼はこれと同じような出来事を以前にも経験していた。

 巴里の赤い弾丸。それがエリカを良く知るもの達が彼女につけたあだ名だ。その名が示すとおり、走り出した彼女は止まらない。そして、今回も、

「大神さーーーーーーーーんっ!! 避けてぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 エリカの足は止まらない。

「やっぱり!!」

 とっさに避けようとするが時すでに遅く、

 ドンッ!!

 彼はエリカのタックルを受け、硬いコンクリートの上に倒れ込む。

「痛たたた……」

 彼は頭を押さえながら起きあがる。

「だ、大丈夫ですか!?」

 聞いてくるエリカに彼は苦笑しながら答える。

「相変わらずだな。エリカ君は」

「はい!! エリカは変わらず元気です!!」

 エリカは悪びれた様子もなく、そう力一杯答える。

 彼女のその日の光のような笑顔を見て彼は帰ってきたことを改めて実感する。

「ただいま。エリカ君」

「おかえりなさい。大神さん」

 東洋人の青年−−大神一郎が第2の故郷フランスに帰郷したところから物語は始まる。

 

 サクラ大戦物語if巴里 花の都に桜舞う



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