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 商店街近くの児童公園。こんな自分でも似合わないと解るスポットに私がいる理由は、目の前のベンチに座っている金髪の男にある。
 この男の名はギルガメッシュ。サーバントの1人だ。クラスは私と同じアーチャーだ。
 私がバーサーカーの脅威からなんとか逃れ、帰路を急いでいると、この公園の前で、いきなり出てきて「待っていたぞ」とか、言われてこの公園に引き込まれたわけだ。しかし、同でも良いが私もこの男も児童公園という場所は本当に似合わないな。
 と、そんなことは同でも良い。手早く用件を済ませて帰らなければ。今日はもう厄介ごとはごめんだ。
「それで何の用件だ。ギルガメッシュ?」
「ふっ……。分かりきったことを聞くな。弓兵」
「いや、わから無いから聞いているんだが……」
 解っているならわざわざ聞きはしない。前から解っていたが、やはりこいつは馬鹿だ。私がそんな憐れみの視線を向けているのに、この馬鹿は「フッ」と、鼻で笑う。何様のつもりだろうか。さらにその態度のまま話し出す。
「フッ。これだから雑種は面倒なのだ。仕方が無い。この我が直々に説明してやる。ありがたく聞くが良い」
「……で、何だ?」
 一々うるさい男だ。本当に何の用があるというんだろうか。
「貴様、今日は雑種どもの所を回って、悩みを聞いて回っているそうだな」
「……誰から聞いた?」
 もう、展開は読めた。けれど、一応、流れに沿った会話をしなければならないか。
「槍兵が騒いでいた」
 なるほど、犯人はランサーか。まあ、こいつと同じところで暮らしているのはランサーぐらいだから仕方が無いか。
「そうか。それで?」
「全サーバントとなれば当然、我もその中に入る。しかし、貴様は一向に我の前に現れはせん。故に我自ら出向いてきてやったのだ。感謝するが良い」
「……それはつまり、貴様にも悩みがあると言うことか? 英雄王?」
「無論だ。そんなことも理解できぬか? フェイカー? ああ、すまぬな。貴様のような雑種が王たるものの尊き悩みを理解できようはずもないか。ふむ。雑種に合わせるのも苦労する」
 こいつみたいな馬鹿に悩みがあるとは真剣に思わなかった。そして、それがあると解った以上、聞きたくも無い。大体、今回の『悩み相談』は前回の聖杯戦争で召還されたサーバントを対象にした話だ。こいつのように10年以上も現出しているヤツは対象外なのだが。まあ、そんなことを言ってもこいつが理解できるはずは無い。仕方が無い。こいつは(頭の中が)可哀想なヤツなのだ。話を聞いてやるか。
「……で、とどのつまり悩みなんだ? 一応聞いておく」
「フッ。心して聞けよ雑種。それでは今から王の悩みを貴様に聞かせてやろう」
「手短に頼む」
 この手の馬鹿は物事を複雑に言い回すのが得意だ。無駄ではあろうが一応、釘は刺しておくとしよう。
 そして、案の定、馬鹿は持って回った言い回しで語り始めた。
「我は王だ。この世界で最も尊き存在よ。故に我と対等なものは1人もおらぬ」
「それで?」
「この世の全てを手にした我。それ故に1人孤独な身。わかるか弓兵?」
「まあ、大体」
 ようは独身だということだろう。
「そう。我は1人なのだ。この全てを手にした我がだ。そんなことが許されるか? 否、断じて否だ!! 我の傍らには相応しき伴侶が必要なのだ」
「あ〜、それはつまり……」
「うむ。騎士王、セイバーこそ我が嫁に相応しい」
「やはりか……」
 こいつまだセイバーのことを諦めてなかったのか。いい加減、諦めればよいのに。
「しかし、何故かセイバーは我の求婚に答えぬ。それどころかあのような雑種の元で生活している。というわけで、貴様はどうすればセイバーが我の求婚に答えるかを考えるのだ」
「………」
 本当に予想通りの『悩み』だ。で、この問題に関する意見なんて1つしかない。
「さあ、意見を言え。聞いてやろう」
 ベンチの上で偉そうに言ってくるギルガメッシュ。その自信に溢れた態度が逆に可哀想に見えてくる。
「あ〜、では言わせて貰うが……」
 可哀想だが、やはり言ってやらねばならにこともあるか。仕方が無い。こいつに現実を教えてやろう。
「ふむ」
「結論から言えば無理だ」
「なっ!?」
 驚愕する英雄王。このことに驚愕するのはこいつだけだ。他の関係者各位(衛宮家の面々)皆が賛同するだろう。
「貴様にしてみれば酷な話だろうが、セイバーのことは諦めろ」
「雑種!! いきなり無理とはどういうことだ!?」
 これまであれだけのことがあったのに、このこんなセリフが出てくるとは。もうここまでくればこいつはピエロだ。仕方が無いのでこの哀れなピエロに解りやすく説明してやることにする。

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