冥界を出た先。そこは別世界。一面を覆う白い雪。そして、一面は星空。

「綺麗ね……」

 光を放つ星。そしてその光で輝く雪。その美しい空間を私は飛ぶ。

 神社に帰り着く。皆はまだみたい。一番乗りは私。さて、皆が帰ってくる前に、部屋を暖めておくか。お茶も用意しとこう。と、思ったら部屋には灯りが着いてる。あれ? 誰かもう帰ってる?

 中に入る。と、そこには小さな身体に不釣合いな大きな瓢箪を持った鬼――伊吹萃香が転がっていた。

「お帰り〜、霊夢」

「あら、萃香、来てたの?」

「うん、今日はなんか宴会するって聞いたから」

「クリスマスパーティーね」

「そうそれ」

「少し待っててよ。もうすぐ皆帰ってくるから」

「ん、いいよ〜。けど、その前に……」

「ん?」

 こっちに伸びてくる萃香の手。ああ、そうか。そういえば、こいつの分も私が持ってるのよね。けど、私がサンタだってことを知ってるのといい、今日のパーティーといい。こいつまた霧になって見張ってたなぁ。

(まあ、いいか。悪いことはしてないし)

 私は袋に残った最後のプレゼントを取り出す。

「はい。メリークリスマス」

「ありがと、霊夢♪」

 萃香の笑顔。たまにはこういうのも、年に1度くらいはこういうのもいいな。