日記内連載 春夏秋冬の奇妙な闘病記 新章 リハビリ 第3話 驚愕

あれは私が退院して、まだ、間もない頃のことでした。その日、私は病院での診察を終えた後、帰りの足が無かったので、1号に迎えに来てもらったわけです。

時間はちょうどお昼時。どこかで食事を取っていこうという話になりました。

はこぶね「どこで食べていく?」

私「そうだな〜」

なんだかんだで病院の近くには適当なレストランが存在しません。だから私は、

私「じゃあ、日本で一番人気のハンバーガーチェーン店で」

と、気軽に答えたわけですよ。実際、退院したばかりで金も無かったですから。すると1号がそれを完全拒否するわけです。

はこぶね「ダメ。絶対ダメ」

私「何故!?」

はこぶね「いつも言ってるだろう? あそこの安さはおかしすぎる。いいか? 飲食業を営むものの目から見たらあそこは絶対に危険なんだ!! それを今のあんたには食わせられない」

私「しかし、私には金がない」

はこぶね「奢ってやるから」

私「……解ったよ」

正直、この時、はこぶねは心配しすぎだと、思ったわけですよ。確かにあの店の安さはかなりのものです。しかし、そこまで警戒する必要もないと思ったわけですよ。それになんだかんだで、私はあのお店好きですし。

とにかく、あのお店を否定された私はお店を探しました。そんな時です。ふと、私の目に私には普段、縁のないお店の看板が目に入ったんです。そこで、私はそのお店を指差しはこぶねに言いました。

私「はこぶね、お前、奢るって言ったよな?」

はこぶね「言ったよ」

はこぶねがそう答えたのを確認し、私は意地悪く笑いながら、そのお店の看板を指差しました。 

私「ならあれだ!!」

はこぶね「ん? あれは……

私が指を指したのはご近所で有名なウナギ屋のお店。当然、お高い店です。

私はこれで、はこぶねを困らせようと考えていました。が、はこぶねは、

はこぶね「ウナギか。いいよ」

私「へ?」

その予想を上回る1号の答えに私は固まりました。あまりに信じられないので、何度も聞きなおしたんですが、はこぶねは「いいよ。奢ってやる」と、珍しく邪気のない顔で自然に答えてくるのです。

普段から、互いに「死ね」「豚が」等の罵詈雑言で会話をする私達です。ですから、私がこの時の1号の発言を信じられなかったのは当然のことだと思います。

この後、私は狐に化かされた様な表情で、1号にウナギをご馳走になりました。

春夏秋冬の奇妙な闘病記 新章 リハビリ 第3話 驚愕 終

追伸1

あの時のウナギ本当に美味かったです。本気で感謝してます。

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